前回の記事にて「お宮参り」について紹介しましたが、近年、そのお宮参りと一緒に行われることが多くなっている行事「お食い初め」はご存知でしょうか?本来は別々の行事であるこの2つですが、何故一緒に行われるようになったのか。
今回はお食い初めについて、お宮参りと一緒に行われている理由やメリットについて紹介していきます。
お宮参りについて紹介した記事はこちら
お食い初めとは平安時代から続く、赤ちゃんの成長を願う伝統的な行事で、その子が「一生食べるものに困らないように」という願いを込めて、親が赤ちゃんを抱っこしながら食べ物を食べさせる真似をします。
お赤飯、お吸い物、尾頭付きの鯛、煮物、漬物などを揃えた祝い膳を用意します。お食い初めをする際は、衣服が汚れれてしまうことを考慮して、洗濯しやすい衣服で行うことをおすすめします。
また、赤ちゃんの歯が「石のように丈夫になりますように」という祈り・願いを込めて、小石を使う「歯固めの儀」もお食い初めに含まれます。
お宮参りはだいたい生後1ヶ月後に行われ、お食い初めは生後100日~200日頃に行われます。約60日ほど行うタイミングがズレているため、「お宮参りとお食い初めを同日に行ってもよいのか?」と疑問になるでしょう。
結論から申し上げますと、この2つの行事は同日に行っても問題はないです。同日に行う場合は、お食い初めのタイミングで行います。
では何故、本来別々の行事であるはずのお宮参りとお食い初めを同じタイミングで行うようになったのか、解説していきます。
本来のお宮参りは生後1ヶ月後のタイミングで行われるため、赤ちゃんも母親も体調が安定していないことがあります。赤ちゃんはまだ首が据わってなく、母親も産後で体力が完全に回復していないでしょう。
母子の健康を第一に考えるのであれば、その時期に無理をしてお宮参りをするよりも、お食い初めの生後100日前後というタイミングであれば体調が安定している可能性があるので、安心して行事を行えるでしょう。
赤ちゃんのお祝い事は成長を感じられてとても嬉しいことですが、行事を別々に行うとそれなりに費用がかかります。2つの行事を同日に行えば、お宮参り後の食事会費や服装のレンタル代、記念写真の撮影代などの費用を抑えることができます。
せっかくの赤ちゃんのお祝い事なら、両親だけでなく両家の祖父母や親戚も一緒に集まって行事を行いたいものです。ただ、仕事や予定など、全ての人の日程のタイミングを合わせるのは結構大変なことです。ましてや祖父母や親戚が遠方に住んでる場合だと、さらに集まるのが大変になってしまいます。
同日に行えば単純に集まる回数が1回で済むので、タイミングが合わせにくかったり、遠方に住んでいる場合でも予定の調整がしやすくなるでしょう。
ここまでお宮参りとお食い初めを同日に行うメリットについて解説しましたが、もちろん気を付けなければならない部分もあります。
お宮参りとお食い初めを同日に行うとなると、準備が大変になってしまいます。2つの行事をスムーズに進行するためには、前日までにできるような準備はなるべく減らしておくことが大切です。
お宮参りで御祈祷を受けるのであれば、初穂料の準備も前日にしておきましょう。初穂料は事前にホームページなどで金額を確認しておき、きれいなお札をのし袋に包んで用意しておきましょう。
同日で2つの行事をやるとなると、時間に追われるでしょうし、体力も必要になってきます。赤ちゃんや母親が体調を崩さないように、無理のないスケジュールを立てるようにしましょう。
記念撮影などでスタジオを利用する際や、外食で食事会を開く際は移動の時間なども含まれてきます。行事自体の時間だけでなく、移動時間も含めてスケジュールを立てれば余裕を持てるでしょう。
もしスケジュール通りに進まなくても慌てず、休憩が必要そうだったら適宜取り、母子の体調を第一に考えて行いましょう。
今回はお食い初めについて紹介しました。いかがだったでしょうか。
お食い初めは近年、お宮参りと同日に行っているケースが増えているようですが、これに関してはご家庭ごとにどうするか決めるのが一番です。伝統や風習を大事にするご家庭も、祖父母や親戚が集まりやすいように同日で行うご家庭も、全く問題はありません。
ただしやはり一番大事にするべきは母子の体調でしょう。生まれたばかりの赤ちゃんや産後間もない母親の無理にならないように行事に取り組んでいきたいですね。