神社の基礎:延喜式神名帳と近代社格制度

2021.06.09

shan-shan

歴史 神社

神社好きであれば一度は耳にする「延喜式神名帳」と「近代社格制度」
本日は、より神社ライフを楽しんで頂くために、浅~く延喜式神名帳と近代社格制度に関する説明をさせて頂きます。
意外と身近に古式ゆかしき神社があったりするものですよ!

延喜式神名帳

「えんきしきじんみょうちょう」と読みます。
完成は、927年(平安時代)と言われています。
内容は、律令の格式となります。
律令(りつりょう)とは、律は法。令は行政とかの意味です。
格式(きゃくしき)とは、格は律令の補完。式は施行細目となります。

三大格式

格式には三大格式と言われるものがあります。
以下が三大格式

・弘仁格式
・貞観格式
・延喜格式

古い順の記載となります。
完全な形で現存しているのは、延喜格式だけとなるため、古代の律令制を知るうえで大変重要な資料と言えます。

延喜式神名帳とは?

簡単に言うと、年号が「延喜」の時に制定された、神名帳=神社の格付けとなります。
令和だと令和式神名帳となるわけです。

三大格式のそれぞれ弘仁、貞観も年号となります。

格付け

延喜式神名帳では以下の4つに分類されて掲載されています。官幣大社 – 198社 304座

国幣大社 – 155社 188座
官幣小社 – 375社 433座
国幣小社 – 2133社 2207座

読み方は、官幣=かんぺい。国幣=こくへい。です。
上から格付けが高い順になります。

官幣?国幣?

延喜は平安時代の年号になります。
平安時代に朝廷の祭祀を管轄していたのが「神祇官(しんぎかん)」になります。
その神祇官から直接幣帛を渡されたのが「官幣」。
その国を治める長か幣帛を渡されたのが「国幣」です。

幣帛(へいはく)??
神道の祭祀において神に奉献する、ものの総称です。

簡単に説明すると、国から贈り物が届くか、都道府県から贈り物が届くかの違いです。
よって、基本的には、格付けにおいても官幣大社が一番上位格となります。

延喜式の特徴

学問的な特徴ではなく、近代社格制度との対比のための特徴です。
時は平安時代ですので、首都は京都。
よって、官幣大社、小社はほとんど関西圏です。
理由は、郵便が発達していませんので、国からの贈り物を届けられないからとも言われています。
国からの贈り物が届けられないけど社格が高い神社には、国幣大社の社格が付けれています。
あくまでザックリです。

補足

二十二社という格付けも平安後期に制定されています。
これは、国家の重大事、天変地異の時などに朝廷から特別の奉幣を受ることのできる神社です。
京都12社、奈良7社、三重1社、大阪1社、兵庫1社のみです。

近代社格制度

近代社格制度(きんだいしゃかくせいど)とは、明治4年に「延喜式」に倣って新たに神社を等級化した制度です。

格付け

大きく分けて官社と諸社(民社)、無格社に分類されました。

官社の格付けは、延喜式と基本同じです。
格付けは、高い順に以下の通りです。
官幣大社→国幣大社→官幣中社→国幣中社→官幣小社→国幣小社→別格官幣社。

官幣社は二十二社や天皇・皇族を祀る神社など朝廷に縁のある神社が選ばれ、国幣社は各国の一宮や地方の有力神社が中心に選出されました。

のちに、忠臣、著名な武将、国の為に尽くした人などを神として祀る神社のために、別格官幣社という格付けも制定されました。
待遇は、官幣小社と同等でしたが、格として国幣小社より上とはされませんでした。

諸社の格付けは、以下の通りです。
府県社→郷社→村社。

読んで字のごとく、府県から幣帛、郷から幣帛、村から幣帛をもらっていた神社です。

無格社は、当時の法律で認められてはいるが、幣帛をもらえない神社の総称です。

近代社格制度の特徴

延喜式との一番の違いは、既に都が東京へ移っていたこともあり、近畿中心の変遷ではなく、全国に広がった点です。
戦後GHQにより、廃止となりましたが、現代においてもこの格付けを前面に出す神社もあります。

官幣大社65社(うち廃社6社)
国幣大社6社
官幣中社23社(うち1社廃社)
国幣中社47社
官幣小社5社
国幣小社50社(うち11社廃社)
別格官幣社28社

余談

近代社格制度の裏の顔として、動態調査へつながる政策の側面があります。
神社に属する信者の事を「氏子」と言いますよね。
明治政府は、全ての国民は、在郷の神社の氏子となり、出生や住所の移動の際にはお守りの発行などが義務づけ、国民の動態を調べたそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
深堀すると、膨大な量になりますので、表層の基礎部分だけ記事にしてみました、
筆者も学者ではありませんので、これが限界とも言えますが。。。。
簡単に言うと、延喜式神名帳は平安時代を中心に考えられた神社の格付けであり、現存する完成された形での神社の格付け帳。
近代社格制度は、延喜式を踏襲しつつも、限ら得た地域に限定せずに、全国に広げた格付け帳。および国民の動態調査として用いられた。

との事となります。

ですので、近代社格制度は、読者の皆様のお近くにも必ず官社が存在しています。
また、地元では有名でも、格付け的にはこの神社より下だったのかぁ!など。
色々な発見がありますので、ぜひ調べてみて下さいね!

ちなみに、筆者は神奈川で育ったので、神奈川と言えば、鎌倉の鶴岡八幡宮や相模国一之宮寒川神社を良く耳にしていましたが、近代社格制度において、神奈川県の最上位格は、「鎌倉宮」でした!

へ~!って感じでした。

以下、神奈川県の近代社格制度表記神社は、

鎌倉宮(官幣中社)
寒川神社(国幣中社)
鶴岡八幡宮(国幣中社)
箱根神社(国幣小社)

以上4社となります。

皆様の地元も調べてみると面白いかもしれませんよ!



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