日本人にとって神社という場所は馴染み深いものではないでしょうか?基本的には、神社へ参拝者として訪れる人が多いと思いますが、神社で「働いている人」を意識したことはあるでしょうか…?
今回は他とはひと味違った職業といえる、「神主」について紹介していきます。
神主とは、神社に祀られた神様に仕えて、奉仕する宗教職のことを指します。
参拝者への対応や神様に捧げる祭祀を執り行う他にも、社殿や境内の維持・管理など、神主の仕事は多岐にわたります。さらに、おみくじを配置している神社ではおみくじの発注、Webサイトがある神社であればその更新作業などの業務もあります。
ここで認識を間違えてはいけないのが、神主は「神社に勤めている」のではなく、「神社や神様に奉仕している」ということです。上記であげた社務などは全て神社や神様への奉仕のために行っているということです。
神主は神様に仕える神聖な職業のため、一朝一夕で就けるようなものではなく、資格が必要な職業となります。神主として働くには各都道府県の神社庁から授与される「神職資格」の修得が必要になります。
この資格を修得するには次のような課程を経る必要があります。
一つ目は、神職資格取得課程がある大学に進学し、所定の課程を修了することです。この神職資格取得課程がある大学は全国に2校しかありません。一つは東京都渋谷区にある「國學院大學(こくがくいんだいがく)」、もう一つが三重県伊勢市にある「皇學館大学(こうがっかんだいがく)」です。
二つ目に、全国で6つの神社が運営している「神職養成所」に入って2年間神道を学び、資格を取得する。という選択肢があります。
ただし、入所には神社庁からの推薦状が必要となります。
▼全国で6つしかない「神職養成所」一覧
・出羽三山神社神職養成所(山形県鶴岡市)
・志波彦神社 塩竈神社神職養成所(宮城県塩竈市)
・國學院大學別科神道専修(東京都渋谷区)
・熱田神宮学院(愛知県名古屋市)
・神宮研修所(三重県伊勢市)
・京都國學院(京都府京都市)
・大社國學館(島根県出雲市)
三つ目は、通信制の学校で学び、所定の課程を修了することです。この通信制の学校に関しては全国で1校しかなく、「大阪国学院」のみとなります。
ただし、こちらも入学には神社庁の推薦状が必要になります。
今回は、神主さんの役割と必要な課程について紹介しました。
紹介したように神主さんは「神様に仕える」神聖な職業です。初詣や七五三などで訪れた参拝者への対応などもありますが、一番は神社と神様のために仕事をしています。
そんな神聖な職業のため、まずは神道について学ばなければならず、神主になるために必要な資格取得への道は狭く限られています。
次に、神社に参拝へ訪れた際は、神様にはもちろん、神社を常日頃から守っている神主さんにも感謝の意を伝えてみるのはいかがでしょうか。