神社へ訪れると必ずと言っていいほど目にする鳥居ですが、そもそも鳥居にはどのような役割があるかご存知でしょうか。
今回は鳥居の役割や起源、鳥居がたくさん連なる神社の理由について紹介します。
鳥居は、神社内の神域と人間が住む俗界を区画する結界であり、神域への入口を示すものです。
鳥居をくぐる際はそのまま何も意識せずにくぐるのではなく、一礼してからくぐり境内の中へ、参拝を終えて境内から出る際は、鳥居をくぐったあとに参拝した神社へ向き直り、一礼するのが丁寧な作法です。
鳥居の起源は、国内起源説・外国起源説など諸説あるようで、考古学的起源についてははっきりしていないようです。
国内起源説で有名なのは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を天岩戸(あまのいわと)から誘い出すために鶏を鳴かせた際に、鳴かせた鶏が止まった木を鳥居とした起源です。
外国起源説だと、インド仏教によく見られる仏寺の「トーラナ」や中華文化の「牌楼」を鳥居の起源だと考える説があります。
特定の本殿を持たず、山や島自体などの自然物を御神体としてお祀りしている神社の中には、その前に鳥居が立てられます。
代表的なものを挙げると以下2つの鳥居が有名です。
三輪山をお祀りしている、奈良県桜井市にある「大神(おおみわ)神社」の大鳥居が代表されます。この大神神社は日本最大級の高さを誇る鳥居としても有名で、その高さは32.2mです。
ユネスコの世界文化遺産に登録されており、海にそびえる大鳥居で有名な「厳島神社」は、その厳島(宮島)自体を御神体としてお祀りしている神社です。
日本には鳥居がたくさん連なっていることで有名な神社がいくつかありますよね。
・伏見稲荷大社(京都府京都市)
・高山稲荷神社(青森県つがる市)
・元乃隅稲成神社(山口県長門市)
・福徳稲荷神社(山口県下関市)
・祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)
・浮羽稲荷神社(福岡県うきは市)
上記であげた神社に鳥居がたくさんある理由はシンプルなもので、崇拝者から稲荷大神様へ願いが「通るように」または「通していただいたお礼」として鳥居を奉納するためです。
鳥居の柱を見てみると奉納した人や団体の名前がかかれています。
鳥居の意味や起源、たくさん連なっている神社の理由について紹介しました。
鳥居には様々な種類があります。自然の中に溶け込むようにある鳥居もあれば、明るい朱色で強い存在感を放つ鳥居もあります。
様々な形式の鳥居がありますが、そのどれもが人々に神聖さを感じさせるのが、鳥居の魅力ではないかと筆者は思います。